どんな人にも、ここだけは変わらず続けて欲しいと思う店が1つや2つはあると思う。
食べ物屋でも、本屋でも、または古着、雑貨屋でも。
でもそれは時として、残念にもなくなってしまうことがある。
私の場合、それが2つある。
1つは渋谷(のマンションの一室)にあったパリペキンレコーズ(1995年閉店)、
2つ目が亀有名画座(1999年2月28日閉館)だ。
パリペキンには足繁く通ったが、
亀有には殆ど行く事がなかった(合計3回)。
しかしどちらも唯一無二の存在だと私には思えた。
かたや音響派というタームを浮上させ、
後に続くような店をたくさん生み出したパリペキン。
かたや残り少ない名画座の1つとして
日活ロマンポルノとピンク映画メインでやってきた亀有名画座。
蘇る!日活ロマンポルノ―1971~1988全作品アーカイブス (Town Mook)
日本映画ポスター集 ピンク映画篇
それに続くような映画館が見当たらないというのは寂しい限りだ。
(1996年、道路拡張工事前の亀有本通り商店街)
「ラストショー亀有名画座」での最後の5日間
(1999年2月24日〜28日)の盛況ぶりを見たら、
道路拡張がうらめしいとさえ思えた。
(1999年2月27日「ラストショー亀有名画座」にて)
ところで、亀有名画座の館内通路には観客による書き込み自由な掲示板があり、
それぞれに思い思いのことが書かれてあったのだが、
その中で目に留まるものがあった。
「大画面を見ながら抜きたいけど恥ずかしくてできない……」
大胆なことを考えるやつだなあ、
でも恥ずかしいんだからそうでもないか……。
大体今時、ハッテン場でもないのに映画館でわざわざ手を動かすヤツがいるのだろうか。
インターネットでも、CSデジタル放送でも、コンビニでも、
エロ情報は氾濫しているし、
レンタルビデオ店でも3分の1はアダルトコーナーが占めているし、
個室ビデオという商売もあるこのご時世に、だ。
視覚メディアとしてのエロについてそれほどあるのに、
どうして「映画館の大画面を見ながら」なのか。
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